先輩
インタビュー

歴史の積み重ねと
次代へつなぐおもてなし

350余年にわたり歴史を積み重ねてきた松田屋ホテル。
伝統を重んじ、新しさも取り入れて磨いてゆくお客様本位のおもてなしと
老舗での仕事のやりがいを、先輩たちが語ります。

新入社員(N.Y.)さんのインタビュー写真

老舗に流れる心込めた温もりに感動
ホテルスタッフとして歩み始める

N.Y.新入社員

防府市出身。地元の高校に通う中で多様な人と関わる楽しさを感じてホテル業界を志向。
職場体験などを経て2026年4月の就職が内定した。

高校時代は学級委員を務めたほか、テニスや演劇にも打ち込んだ。趣味は旅行。
館内のお気に入りの場所は志士ゆかりの部屋。

就職先に松田屋ホテルを選んだ理由を
教えてください。

高校2年生の冬に友人からの誘いで、地元のイベントを運営するボランティアに参加しました。そのときに、イベントに訪れる多様な方とお話をする機会があり、人と接する楽しさを感じました。それが人と関わる仕事がしたいと思うようになったきっかけです。
ホテルのスタッフになろうと思ったのは、商品を売るよりも自分自身のスキルに成否が懸かってくる仕事のほうが自分に合っていると感じていたからです。高校で求人票を見たり、先生からいろいろな企業を紹介していただいたりする中で松田屋ホテルが目に留まり、職場見学をさせていただきました。
実際に訪れてみると松田屋ホテルの心地良さを感じ、自分に合った雰囲気だと直感しました。丁寧な説明をしていただいたこと、高校生にも質の高い対応をしてくださったことにも嬉しさを感じ、松田屋ホテルへの就職を決めました。

新入社員(N.Y.)さんのインタビュー写真

歴史ある老舗旅館ですが、働く環境への不安はありませんでしたか?

私はあちこちへ旅行に行くのも好きですが、松田屋ホテルは本当に言葉が見つからないくらいの素晴らしい雰囲気があり、見学の時から圧倒されました。ワクワクしたというのが正直な感想です。和の雰囲気が残っている場所は少しずつ減ってきていると思うので、そういう中ですごく貴重な場所です。両親も「すごく合っていると思うよ」と言ってくれて、ここに就職できたことを喜んでくれました。
自分自身が松田屋ホテルで働くということへの期待感もありますが、松田屋ホテルが「その人に合ったライフスタイル」を大切にしているという説明もあり、老舗でも働きやすさを改善し続けているということに共感しました。休館日があることで休みが取りやすくなったり、自分の時間を作ったりできることは、就職の決め手にもなりました。

高校での経験をどう生かしたいですか?
また、入社後に楽しみなことはありますか?

誰かのために活動をしてみたいと思っていて、高校では自分から立候補して学級委員になり、クラスメートや地域の人のために学級委員活動やボランティア活動に取り組んできました。ただ、部活として1年生でテニス、3年生で演劇にも励んできましたが、あまり先輩と関わるということが少なかったので、年上の方とお話をすることに不安はあります。礼儀や敬語は学校で習うだけでは身につかないと思うので、人と接する経験を積みながら成長していきたいです。
いろいろなお客様に出会えるのは楽しみです。海外から来られる方は、特に日本の歴史に関心があると聞いています。お客様の好みを感じながらお答えできるように勉強を重ねながら、山口と松田屋ホテルの魅力を、自分の言葉で伝えていけるようになりたいです。

新入社員(N.Y.)さんのインタビュー写真

松田屋ホテルでどのような未来を
描いていきたいですか?

人と話すのが好きなのですが、少し人見知りをしてしまうこともあり、もっと親しみやすい人にならないといけないと思います。将来、後輩が入社してきた時には、職場見学の時に感じたような親しみやすさを私も出せるようになり、後輩が悩みを抱えずに済むような先輩になっていきたいです。
松田屋ホテルには堅苦しさがなく、話しかけやすい温和な空気が流れています。スタッフに聞きたいけれど聞きづらいというハードルがないのが松田屋ホテルの良さだとも思います。その魅力を私も接客やスタッフとのコミュニケーションに取り込んで、生かしていきたいです。さまざまなお客様が笑顔になり、ここに来て良かったという良い思い出を持っていただけるように、おもてなしを磨いていきたいと思います。

新入社員(N.Y.)さんのインタビュー写真

高卒採用:
入社までのステップ(一例)

7月

求人票の公開・進路相談

学校に届いた求人票を先生と一緒に確認しました。
松田屋ホテルの歴史の長さや、若手が活躍している働きやすい環境に興味を持ち、第一志望として検討を始めました。

8月

職場見学

夏休みを利用して実際にホテルを訪問しました。
実際の館内や働いているスタッフの方の様子を見ることができ、温かな雰囲気を感じて「ここで働きたい」と確信しました。

9月

応募・採用試験

学校を通じて正式に応募し、9月中旬の選考解禁日に合わせて面接に臨みました。
緊張しましたが、担当の方が丁寧に話を聞いてくださり、自分の想いをしっかり伝えることができました。

10月

内定・入社準備

10月上旬に内定の連絡をいただいたときは、両親も喜んでくれてとても嬉しかったです。
残りの高校生活を大切に送りながら、春からここで働き、成長していきたいという気持ちがより強くなりました。

フロント(O.M.)さんのインタビュー写真

笑顔を大切に、先輩に学びながら成長
リスキリング制度で語学力も磨く

O.M.フロント

山口市出身。高校卒業後に広島県内の大学に進学し、デザインや撮影などを幅広く学ぶ。
小学生時代に訪れた松田屋での時間がかけがえのない思い出となり就職を決断。

現在はフロントで勤務し、SNSの更新も担当。
館内のお気に入りの場所は四季折々の庭。

いまの仕事内容を教えてください。

チェックインやチェックアウト、予約管理、電話対応などのフロント業務全般に携わっています。それに並行して、松田屋ホテルの魅力をInstagramで発信することも行なっています。
Instagramの松田屋のアカウントは以前からありましたが、あまり動かせていなかったのをもったいなく思っていました。そのタイミングで会社から運用の打診があり、別のスタッフと二人で投稿をするようになりました。庭園は私のお気に入りで、晴れていると池と鯉がキラキラしています。雪が積もった時は本当に綺麗で、雪の中で撮影してSNSに投稿しました。大学はデザイン系の学部にいたため、写真についての学びが生きているところもあると思います。
新たに採用のアカウントも始めました。学生に向けての発信になるので、敷居が高くならないように心掛け、同年代や後輩にも見てもらいやすいように工夫を重ねています。 

フロント(O.M.)さんのインタビュー写真

松田屋ホテルで働きながら成長したことを
教えてください。

1年目は先輩方の所作を見ながら、日々の業務に取り組んできました。社員がみな、こだわりを持って仕事をしているのが伝わってきます。おもてなしへのこだわりとホテルマンとしてのプライドを感じ、そばで見ていてもかっこいいと思います。フロントはお客様との最初の接点ですので、私も笑顔を大切に、堅苦しくなりすぎないように意識しています。
学生時代はアルバイトでも接客業はしたことがなかったので1年目は学びの連続でした。フロント勤務でも飲食の場でお手伝いすることはありますので、マナーを学ぶことは必要だと感じています。もちろん覚えることは多いですが、上司は相談しやすくて壁がないので、分からないことを聞きやすいのはありがたい環境だと思います。
就職してからは語学力も必要だと感じていましたが、会社の提案でリスキリング制度を活用してインバウンド対応の英会話講座を対面で学ぶことができました。ヨーロッパやアメリカから来られる方も多く、学んだことが現場ですぐに活かせてとてもありがたかったです。

フロント(O.M.)さんのインタビュー写真

仕事で魅力に感じていることやおもてなしで
心掛けていることを教えてください。

松田屋ホテルには子どもの頃に家族で来ていました。私はまだ小学生でしたが、子どもながらに松田屋ホテルの雰囲気の良さを感じていて、両親や祖母も「松田屋はいいところだね」と話していました。その経験が松田屋ホテルに就職する後押しとなりました。
今はおもてなしをする側となりましたが、以前と変わらず柔らかい雰囲気が流れています。松田屋ホテルの魅力は柔らかな雰囲気と圧倒的な歴史の長さです。お客様がこの雰囲気の中で良い時間を過ごせるように、私も笑顔で接し、明るいトーンで話しかけることは意識して取り組んでいます。
お客様からは歴史のことを聞かれることが多いです。授業科目の歴史は得意でしたし、大河ドラマも見ていましたが、授業で学んだことだけでは分からないこともあります。例えば以前、お客様から歴史的価値のある掛軸の縦横比を聞かれた時は、上司とサイズを測って対応しました。いろいろなお客様から気づきや学びをいただけるのも嬉しい瞬間です。

フロント(O.M.)さんのインタビュー写真

これからの目標を教えてください。

長く勤めていらっしゃる先輩を見ていると、接客のプロフェッショナルだと感じます。先輩はお客様の顔を見てすぐに名前が出てきますし、お客様が言葉にされる前に要望を感じ取ってご案内しています。私も自分が接客した方の名前は出てきますが、さらに細かな配慮ができる人を目指し、フロントのプロフェッショナルとして成長していきたいです。
私は大学で県外に出ましたが、地元の山口県の魅力を発信したいと思っていたことも、地元での就職につながっています。SNSの発信では英語も入れるようにしています。地道に活動を続けることで認知が広がり、若い方や海外からのフォロワーも増えてきました。お客様から「SNSを見たよ」と言ってくれるのも嬉しいです。「松田屋ホテルに行きたいから山口に行きたい」と思ってもらえる場所になれるように、私も携わっていきたいと思います。 

フロント(O.M.)さんのインタビュー写真

1日のスケジュール(一例)

8 : 00

勤務開始

夜勤スタッフから宿泊状況や特記事項の共有を受け、重要事項を確認し1日がスタートします。

10 : 00

チェックアウト対応

お客様のお見送りや精算対応を行います。

11 : 00

予約確認

予約状況を確認し、お問い合わせへの返信や客室の最終調整を行います。

12 : 00

昼休憩

13 : 00

チェックイン準備

客室の仕上がりや、特別リクエストの最終チェックを行います。

15 : 00

チェックイン対応

お客様をお迎えし、館内案内や周辺観光のご提案を行います。

16 : 00

電話・お問い合わせ対応

翌日の予約や変更依頼などに対応。

17 : 00

退勤

夜勤スタッフへ引き継ぎを行い、業務を終えます。

副社長(松田 健慈)さんのインタビュー写真

老舗に息づく“履信居仁”のおもてなし
スタッフが主体的に動ける環境構築にまい進 スタッフが主体的に動ける 環境構築にまい進

松田 健慈副社長

山口市出身。京都府内の大学を卒業後にIT関係の一般企業勤務を経て、家業でもある松田屋ホテルに入社。

フロント勤務などを経て現職。
DX推進や働き方の改善を通じてお客様本位のおもてなしを追求する。趣味はカレーづくり。
館内のお気に入りの場所はダイニングレストラン「錦旗」のカウンター。

DXの推進など現在の仕事内容を教えてください。

私は京都で働いたのちに帰郷して松田屋ホテルに入りました。最初の十数年はフロント業務をしておりましたが、前職でコンピューター関係の仕事に就いておりましたので、フロント業務の傍ら、館内ネットワークの構築、予約システムの導入などに際した調整も担っております。
老舗ホテルではありますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。DXは「特定の人でないとその業務ができない」という状況を変え、誰でもその業務に携われるようにする良い意味での標準化、効率化を進める取り組みです。一つの例を挙げれば、来館されるお客様の情報を参照することで、お召し上がりになれない食材がすぐに分かり、適切なご案内につながります。DXは目的ではなく、おもてなしの段階を一段上げるためのツールです。それに加えてスタッフが外部研修や勉強会に積極的に参加できるようにしたり、ホテル業界としては珍しい定期的な休館日を設けたりして、働き方の改革も進めています。

スタッフにはどのような働き方を期待していますか?

接客の所作には、一つ一つに意味があると考えています。鍵の受け渡し、ご精算、お見送りの時の言葉にも意味があります。「ありがとうございました」「いってらっしゃいませ」という挨拶は、お客様が安心して出発できるように発する言葉ですが、単なるルーティーンではなく、それぞれの言葉、行為そのものに目的があることをスタッフに分かっていただき、励んでもらいたいと思います。
当館の一番の魅力は「おもてなし」にあると思います。また、スタッフがここで働いていることに誇りを持ってくれていることも当館の良さだと感じておりますが、私もロビーに立ってお客様視点で会社を眺め、改善を心掛けています。初めてお越しになるお客様もいらっしゃいますので、スタッフには「一期一会のおもてなしをしている」という気持ちを持ち、常に初心に戻って接客するように伝えています。

国内外のお客様が増える中、松田屋ホテルの歴史や魅力をどう伝えていきますか?

当館のおもてなしを象徴する言葉が伊藤博文公に揮毫いただいた「履信居仁(りしんきょじん)」です。伊藤公は松田屋ホテルにとてもゆかりの深い方で、内閣総理大臣に就任されたのちも当館にいらっしゃるなど、大変ひいきにしていただきました。伊藤公より賜った、心から満足いただけるお客様本位のおもてなしを代々受け継ぎ、歴史ある松田屋ホテルが山口市にあるということを誇りに、次代に残していくことが私たちの責任であると思っています。
山口市は欧米からのお客様が増えています。その土地ならではの文化に触れて、唯一無二の体験をしたいという方が多いと理解していますので、外国の方のニーズをくみ取ってご提案することは大切です。ただ、接客においては日本の方も外国の方も変わりなく、誠実に向き合うことをスタッフと共有しています。言葉や文化の違いはありますので、スタッフが安心して接することができるようにベース作りをして、負荷が軽減できるようにしています。

老舗ホテルとしての今後の展望を聞かせてください。

若手採用を積極的に開始いたしまして、新しい松田屋ホテルの土台を担ってもらうべく注力しております。新しい土台作り、新しい価値観作りをしながら、共に新しい松田屋ホテルを築いていきたいと考えています。採用活動の面でも若い方に知っていただくプラットフォームを設けておくことは大事ですので、新たにSNSを開設し、二人のスタッフが担当しています。
当館は令和7年(2025年)に創業350周年を迎えました。長い時間の中で積み上げてきた歴史やおもてなしは私どもの誇りです。この誇りを胸に、その価値を一人ひとりが体現していければ、松田屋ホテルは自ずと選ばれ続ける宿であり続けられると思います。当館に滞在されたお客様に「来て良かった」と思っていただける宿でありたいのはもちろんですが、スタッフ一人ひとりが日々のおもてなしの意味を理解した上で、自立した行動がとれる会社にもしていきたいと思います。